最近お客様から「外壁や屋根塗料の材料は溶剤系が良いのか水性系が良いのか？」とご質問頂きました。

 

水性塗料と溶剤系塗料には、各々に長所と短所があり、一概にどちらが優れているとは言えません。

なんとなくのイメージでは、溶剤系塗料の方が優れているような印象がありますが、本当に一長一短で、適材適所で選択するべきものです。

昔の水性塗料は耐候性や密着力が低く、溶剤系塗料が圧倒的に上位にありましたが、最近の水性塗料は品質が高く、能力の差は全く無いと考えても良いかと思います。

水性、溶剤系共に主剤のみで使用できる【1液性】主剤に硬化剤を混ぜて使用する【2液性】が有ります。材料によっては【艶有り】【3分艶】【艶消し】などの艶設定も有ります。

 

水性塗料、溶剤系塗料のメリット・デメリットを大まかに説明しますと、、、

水性塗料は溶剤塗料と比較して塗装中・後の臭気が少ないため、環境に優しく安全性も高いと言えます。その反面、塗装中や生乾きの状態で降雨や結露にさらされると、仕上がりの不良が生じやすい、というデリケートな側面があります。

溶剤形塗料は、塗膜の光沢感・仕上がり肌が良く、低温下での乾燥が速く、塗装作業性に優れるメリットがあります。

その他色々有りますがそれぞれ一長一短ありますが、仕上がって塗膜になってしまえば、大きな性能差はありません。

 

実際には、塗装をしようと思った場合に、その塗装の対象物がどういう素材で、どういう環境にあって、どのような仕上がりを求められているかによって、塗料を選定していくことになります。

 

弊社では、外壁のような大きな面積の部位は、なるべく水性塗料を選定するようにしています。

最も大きな理由は臭気です。

溶剤系塗料と水性塗料に耐久性に差はありませんし、塗料の価格も大差はありません。

屋根はほぼ溶剤系塗料です。

鉄部分に関しても溶剤系塗料を使用します。

学校や病院など、水性塗料を使わざるを得ない状況でもない限りは、鉄部分には溶剤系塗料が好ましいと考えます。

上記の選択内容はごく一例です。

などなど、塗料の選択基準は様々ですので、その場に合わせて、正しい知識と長年の経験で判断をしていく必要があります。